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事例

土壌汚染調査・対策

事例が語る土壌汚染調査

最初の地歴調査が肝心

「人の健康被害への防止」これが、土壌汚染対策法の本来の目的です。
しかし、法律の内容が、特定有害物質の基準値を超えると汚染とみなされるため、資産価値に影響してしまい、「資産価値のため」の調査に目的が移っているのが現状です。土壌汚染対策法では、汚染が出れば所有者が浄化しなくてはならず、その費用は莫大。資産価値どころか、土地を売ることができなくなったり、取引後に汚染が出れば裁判も起きてしまいます。
そのために重要なのは、地歴調査をしっかり行うこと。人間の身体におきかえれば、年を重ねた患者さんに対し、医師は、検査や患者さんとの対話(診察)を基本に「老化」か「病気」を判断して治療をします。土壌汚染も同じで診察に当たるのが地歴調査であり、過去の資料と聞き取り調査によって、ひとつずつ紐解かれていくのです。
地歴調査ですべてが決まる、と考える私たち。そんなマックスの調査事例をご紹介します。

*ここで紹介している事例は、土壌汚染についてわかりやすく伝えたいため、難しい専門用語をなるべく避けて表現しております。
そのため、解釈の誤解が生じるかもしれません。マックスでは、土地取引に対する土壌汚染の法的な対応をHAND BOOKとして作成しておりますので、詳しい内容をお知りになりたい方は、<土壌汚染ハンドブック>をクリックし、お問い合わせください。

CASE1.

汚染に対する評価の違い

「土壌汚染の再調査をお願いしたいのですが・・・」
製造業を営むある会社が、売却する工場用地の地歴調査をしたところ、「汚染のおそれが否定できない」という結果が出たという。汚染除去作業にかかるその想定費用は数千万円~1億。「本当にそうなのか、もう一度調査したい」と、当社に依頼がありました。有害物質を含む薬品等の使用が問題とされていたのですが、地歴調査を進めた結果、汚染レベルではなく「おそれなし」という結論に至りました。
何故、調査結果にこうしたズレが起こるのでしょうか・・・

問診での判断が、その後の調査を左右する

その原因は、地歴調査の評価の仕方と情報収集の不徹底さにあります。地歴調査とは、過去に遡って工場等の土地利用で有害物質を取扱っていたかどうかの情報を収集し、土壌汚染の可能性を検証することです。
特に地歴調査の場合、情報収集のやり方次第で大きく結果が左右されます。情報が不十分だと「汚染のおそれが否定できない」というあいまいな結論になってしまい、安易にフェイズⅡ調査(概況調査)に移行してしまうケースが多いといえます。また、評価の仕方も調査会社によって考え方が全く違います。
そもそも地歴調査という調査そのものが持つ不確実さにその原因があります。過去の情報だけで汚染の有無の可能性を評価すること自体無理があります。地歴調査はあくまで情報収集した事実のみを検証すべきであり、評価すること自体不可能なのです。
フェイズⅡ調査が本当に必要かどうか、また、どういう考え方で次調査に移行すればよいか、フェイズⅠ調査によってその後の方向性が決まってしまうという怖さがあります。

CASE2.

聞き取り調査ですべてが決まる

聞き取り調査の重要性を知るうえで、こんな案件がありました。
調査の対象地及び周辺に軍需工場の立地が確認されたのです。火薬製造等が行われていれば、シアン化合物・鉛及びその化合物・水銀及びその化合物等の使用や保管が考えられ、実験室等が併設されていた可能性もあり、どんな特定有害物質が使用されていたのか、地歴調査だけで結論を出すには、非常に困難な内容でした。
図書館、市役所、歴史博物館、歴史専門家のホームページから情報を集め、聞き取り調査を進めるなかで、当時の施設配置図等の資料や情報を入手することができたのです。
それで解明できたことは、工場や製造に係る施設ではなく、捕虜収容所または兵舎として利用されていたという事実でした。この判明で、無事フェイズⅠ調査で終了となったのです。もし、ヒアリングをせずに結果を出していたら、どうなっていたでしょう。

地歴調査はリスク回避の処方箋

ヒアリングをせずに軍需工場の存在だけで判断していれば、汚染のおそれありとなり、その対策に膨大な費用がかかったかもしれません。その対策費用に売ろうと思っていた土地が売れなくなることもあります。このフェイズⅠを単なる地歴調査と捉えるのではなく、契約に関するリスクを回避するための情報ツールとして考えることが重要なのです。
土壌汚染調査・対策 土壌汚染調査の考え方